<今回の背景は、愛来ですv>


・・・なんで・・・?

「ま・・・」

俺は真樹に、なんで心亜と同じピアスをしてるのか聞こうとした。

でも・・・聞けなかった・・・。

「・・・俊?」

真樹が心配そうに問いかけた。

俺は、精一杯微笑んで

「なんでもねーよ!!!あ!俺寄るとこあるからここで!じゃな!!」

と言った。



・・・聞けるわけねーよ・・・

何て言われるか・・・怖くて・・・

『俊、まだ心亜と付き合ってたんだ?』


とか言われたら・・・俺・・・っ

・・・心亜・・・

俺・・・心亜を信じていいんだよな?


俺は、ゆっくりとした足取りで心亜の家に向かった。



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ところ変わって、ここは心亜の家。


私は、鼻歌を歌いながらソーダーアイスを食べていた。

ピーンポーン

突然鳴るチャイム。

「はーーーい!」

私は、返事をしてアイスを加えたまま玄関に向かった。

ガチャ・・・

「俊!」

私は、俊の姿を見て歓声を上げた。

「よぉ」

俊は、そう言って右手を軽く上げた。

「どうしたの?突然!とりあえず、上がってー!!」

私がそう言うと

「いや、すぐ帰るし・・・」

俊は、苦笑いをした。

私は、そんな俊を心配そうに見ていた。

「・・・・あのさ」

俊がしばらく間をおいて話を始めた。

「・・・この前、右耳につけてたピアスが大事だって言ってたよな?」

俊は、私の目を真剣に見て言った。

私は、そんな俊にドキッとしながら

「うん!・・・それが、どうかした?」

と言った。

「・・・・なんで、そんな大事なんだよ・・?」

真剣な目。・・・俊ってば、本当にどうしちゃったの?

「そりゃあ・・・大切な人にもらったから・・・・」

私は、笑ってそう答えた。

「・・・・っ」

突然、俊は私の肩を強く掴んだ。

驚いた私は、手に持っていたアイスを落としてしまった。

べチャ・・・・と汚い音が響いた。

「ちょ・・・俊・・・?どうしたの・・??」

私は、怒った様子の俊を見て怯えながらそう言った。

「・・・・心亜の彼氏は・・・っ、俺じゃねーのか!?」

大声を上げる俊。

驚いて唖然とする私。

そんな2人の間に、五分ほど沈黙が流れた。

「・・・もういい・・・心亜がそういうことなら・・・俺だって・・・」

俊は、自分を落ち着かせるように言って私の肩から手を離した。

そして・・・


「・・・心亜は真樹が大事なんだろ・・・俺ら・・・別れよ・・・」

俊は、そう呟くように言って私から離れて行った。

俊が・・・俊が行っちゃう・・・!

「待ってよ!!!なんで!!??なんで真樹兄が出てくるの!?」

私は、呼び止めるようにそう叫んだ。

いかないで、行かないで俊!!!

「・・・・その銀色の・・・真樹とおそろいだろ・・?」


私の顔さえ見ないで言う俊。

ドクン・・・・私の胸が音を立てた。


・・・な、なんで・・・なんで知ってるの・・・?


俊は、しばらく立ち止まってから・・・・また歩き出した。

『待って!!!』

私は呼び止めることが出来なかった・・・・




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そのころ、学校の職員室では。


「日向ーーーー!!!てめーは、何度言ったら分かるんだっ!!!」

「うっせーーな!!!だから走ってねーーっつってんだろーーーが!!!」

あたし(杏奈)と成石(先生)での激しい討論が繰り広げられていた。

「走ってただろ!!!!俺は見たんだよ!!!」

「走ってねーーーよ!!あれはスキップだっ!!!」

「はぁ!?んな小学生みてーな言い訳通用するか!!」

「言い訳じゃねーーーよ!!本当にスキップしてたんだよ!」

あたしが一層大声を出すと、教頭が歩いてきて

「君達、職員室では静かに!!成石先生も指導はいいことですが・・・
これ以上うるさくするなら、どこか他の場所で指導してください!」

「「はーい」」

あたし達は、素直に職員室から出た。


「ったく・・・あのハゲ教頭・・・!!!」

あたしは握りこぶしを固めてそう言った。

「・・・元はと言えば、てめーがうるさくするからいけねーんだろが!」

成石は、あたしの頭をベシッとたたいた。

「いってーな!・・・っつか、どこ行く気だ?」

「あぁ、保健室。」

さらりと言う成石。こいつはバカか!

「保健室行っても、また怒られるだけだろーが!!」

あたしがそう言うと

「あ、日向はもう帰っていいぞ。俺はおめーと言い争って疲れた。寝る」

成石は、そう言って保健室に入って行った。

はぁぁぁぁ!!??

あたしは、「ちょ・・・」と驚いた声を出して保健室に入った。

すると、ベッドで早速寝ている成石を見つけた。

・・・・こいつ・・・本当に教師か・・・?

あたしは、そう思いつつも優しい瞳で成石の寝顔を見つめていた。